こんにちは。
ラリーケーホーム(ハウスドゥ!大東野崎店)の金井です。
先日、ある物件をお客様が気に入られ、住宅ローンの審査を行なおうとしたのですが、その物件が『建蔽率オーバー』の物件でした。
そこで、今回は『建蔽率オーバーの物件でも住宅ローンが組めるのか』についてお伝えしたいと思います。
【建蔽率(けんぺいりつ)とは?】
建蔽率とは、上空から見たときの建物の面積が、敷地面積に対して占める割合を指します。
建物を上空から見たときの建物の面積を建築面積といいます。
建蔽率の計算方法は、「建築面積」÷「敷地面積」×100=建蔽率、となります。
ちなみにバルコニーや軒の出が1メートル以下の場合は建築面積に含まれません。
また、地下室も建築面積に含まれません。
この建蔽率は用途地域ごとに上限が設定されており、その上限を超えて建築することができないよう決められています。
例えば、建蔽率の上限が50%に設定されている地域で、敷地面積が100平方メートルの土地に対して60平方メートルの建物を建てると建蔽率オーバーとなり建築基準法の違法建築物となります。
そして、違法建築物は住宅ローンの融資を受けられない一つの原因となります。
※もちろん銀行によっては融資を行うところもあります。
【建蔽率オーバーと住宅ローン融資】
前項で記しましたように、建蔽率オーバーの建物は違法建築物件ということになります。
違法建築物件に銀行が住宅ローンの融資をするということは、違法建築物件を事実上、銀行が認めることになります。
銀行のように、信用を看板としているようなところは、社会的立場上そのような融資を認めることはできません。
しかし、買主がキャッシュで購入する場合は、融資そのものがありません。
違法建築物といっても購入することに関しては、法律に規制もなく問題になることもないのです。
ただし、買主がこの物件を売却する時には、ローン融資が基本的にできないので売りにくく価格は下がります。
また、金融機関によってはローン融資に応じてくれるところもあります。
【なぜ建蔽率オーバーの建物が発生するの?】
それでは、なぜ建築基準法違反の建築物が存在するのでしょうか。
その理由に、既存不適格建築物と違法建築物があります。
既存不適格建築物とは、建物が建築された当初は適法であったが、その後の法律の改正により現在では違法建築物となってしまった建築物です。
もう一つの違法建築物は、当初から違法に建築された建物と判断された建物です。
新築の建物を建築するには、建築基準法に抵触しない建物を建築することが建築業者に義務づけられています。
建築基準法では、工事に着手する前にその建築計画建築基準法の規定に適合しているかどうか、建築主事の確認を受けなくてはなりません。
これを「建築確認」といいます。
建築計画が法の規定に適合していると確認された場合に、交付される文書が「建築確認済証」です。
工事の着工も「建築確認済証」の交付を受けていないと着工できませんし、その建築物の広告も同様です。
そのため、建蔽率オーバーとなることは通常ありえません。
ただし、「建築確認済証」あるいは「建築確認検査済証」の交付を受けた後に増築をした場合、その部分が建物面積に参入されて、建蔽率オーバーと判断されるケースもあります。
10平方メートル以上増築する際、建築確認を役所への届け出を要しますが、それ以下の場合は注意が必要です。
役所へ届け出をし、建蔽率がオーバーしている場合は、増築の許可がおりず増築ができないので、建蔽率がオーバーすることはありません。
ところが、10平方メートル未満ですと届け出義務がないので、知らず知らずのうちに建蔽率オーバーとなってしまう可能性があるからです。
【カーポートや物置設置で建蔽率オーバー?融資不可になる可能性も】
自宅にカーポートや物置を設置することで建蔽率がオーバーとなり、住宅ローン融資を受けられない物件となることもありますので要注意です。
カーポートや物置は建築物に含まれます。
建築基準法での建築物とは「土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む。)」と建築基準法第二条により定義されています。
従って、カーポートや物置を増築した場合、その増築面積は建築面積に加算されます。
10平方メートル以上ですと、建築確認の届け出も必要となります。
ただし、カーポートの場合は「車庫における建蔽率の緩和措置」で一定の条件を満たせば、車庫の柱から1メートルまでの部分は建築面積に含まれません。
前述の通り、知らず知らずのうちに建蔽率オーバーで融資不可の物件となる可能性もありますので要注意です。
【違法建築物とローン融資の関係】
建蔽率オーバーが違法建築物件になることやその物件の融資について記してきました。
建物を建築する場合は、建蔽率以外にも様々な法令上の制限があります。
また、この法令も時代とともに変化していきます。
不動産業者はもちろんのこと、売主や買主も、このような法令をできるだけ知っておくことが重要といえるのではないでしょうか。
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