こんにちは。
ラリーケーホーム(ハウスドゥ!大東野崎店)の金井です。
今回は、「建蔽率」と「容積率」についてお伝えします。建蔽率とは簡単にいうと、「敷地面積(建物を建てる土地の面積)に対する建築面積(建物を真上から見たときの面積)の割合」のことです。
計算式は次のようになります。
せっかくの土地を無駄なくギリギリまで建物に使いたいと考える人もいるでしょうが、建蔽率が高すぎる家は防災や風通しの観点から望ましくないとされています。
そこで、ある程度の空地を設け、ゆとりある建物を建てるように誘導する目的で、建築基準法によって建蔽率に制限が設けられているのです。
なお、建蔽率の制限は地域によってパーセンテージが異なります。というのも、地域ごとに都市計画は異なり、そこを住宅地域にするのか、はたまた商業地域にするのかといった使い道は各市町村により細かく分類されているためです。その使い道は「用途地域」として12種類に分かれており、それぞれ建蔽率の制限が微妙に異なっています。ここで、住宅にかかわる用途地域について紹介します。
用途地域別の概要
●第一種低層住居専用地域 → 低層住宅専用地域
●第二種低層住居専用地域 → 小規模な店舗の立地を認める低層住宅の専用地域
●第一種中高層住居専用地域 → 中高層住宅の専用地域
●第二種中高層住居専用地域 → 必要な利便施設の立地を認める中高層住宅の専用地域
●第一種住居地域 → 大規模な店舗・事務所の立地を制限する住宅地のための地域
●第二種住居地域 → 大規模な店舗・事務所の立地を一部制限する住宅地のための地域
●準住居地域 → 自動車関連施設など沿道サービス業と住宅が調和して立地する地域
建蔽率
【建蔽率 30・40・50・60%】の用途地域
・第一種低層住居専用地域
・第二種低層住居専用地域
・第一種中高層住居専用地域
・第二種中高層住居専用地域
例えば、「防火地域」「耐火建築物」「角地(※1)」の3つを満たしているケースでは、建蔽率に計20%を上乗せできることになります。できる限り広い家に住みたいと考えている人であれば、こうした緩和条件は覚えておきたい知識のひとつです。
(※1)都道府県や市町村によって、角地の定義は異なります。
なお、土地の仲介業者は購入希望者に対して、その土地がどの「用途地域」に属するかとあわせて、建蔽率も必ず伝える義務があります。しかし、それをきちんと理解できていないまま購入してしまうと「希望する建物の広さは50平米なのに、30平米の広さでしか建てられないことが後から分かった」なんてことも無きにしもあらず。建蔽率は理想の住まいを考えるうえで、欠かせない知識だといえるでしょう。
次に「容積率」について。建蔽率はいわゆる平面的な広さを制限するものですが、容積率は「敷地面積に対する3次元空間の割合」を算出し、制限するための基準になります。計算式は次のとおりです。
ちなみに、延べ床面積に含まれない部分は「玄関」「バルコニー・ベランダ」「ロフト」など、面積を割引いて換算する緩和措置を設けている部分としては「地下室」「ビルトインガレージ」などが挙げられます。
なぜ容積率の制限を設けることが必要なのか。それは、簡単に言えば人口制限のためということになります。「住宅」と「下水や周辺道路などのインフラ整備」は切っても切り離せない関係です。
仮にインフラ整備が不十分なエリアなのに、容積率の割合を高くしてしまい、階数が多い家ばかりが建ち、住み手(人口)が増加したとします。すると、たちまち処理能力がオーバーしてしまい、結果として住み良い街からかけ離れてしまうのです。そこで、容積率という基準を設けることで、建物空間のスケールをある程度制限し、その地域に住める人口をコントロールしているというわけです。
なお、この容積率も建蔽率と同様、用途地域ごとに細かく指定されています。
容積率
【容積率 50・60・80・100・150・200%】の用途地域
・第一種低層住居専用地域
・第二種低層住居専用地域
【容積率 100・150・200・300・400・500%】の用途地域
・第一種中高層住居専用地域
・第二種中高層住居専用地域
・第一種住居地域
・第二種住居地域
・準住居地域
容積率は市町村ごとの都市計画で定められていますが、そのまま適応されるわけではありません。実は、建物の前面道路の幅によって、左右されるので注意が必要です。
もし前面道路が12m未満の場合、まず次の計算式から容積率を求めます。
前面道路の幅×0.4(※)×100%=容積率
(※)住居系用途地域の場合の法定乗数。非住居系では、0.6となる。
つまり、前面道路が4mだとすると、4×0.4×100=160%となります。都市計画で容積率が200%と認められていたとしても、前面道路をもとにした計算式で出した容積率と比較して、小さいほうをその土地の容積率とすることが定められているのです。ちなみに、角地のように複数の道路に面している土地では、幅が広いほうを基準に計算します。
では、建蔽率と容積率によって建つ家はどのように異なるのか、イラストで比較してみましょう。
特に注文住宅を検討している人は、ぜひ用語を覚えてみてくださいね。
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