不動産売却で仲介と買取の違いは?メリットやデメリットも解説
不動産を売却するとき、「仲介」と「買取」のどちらを選んだらよいかお悩みではありませんか。どちらにも特徴があり、選び方を間違えると時間や費用の面で損をすることもあります。本記事では、それぞれの仕組みや違い、メリット・デメリットを分かりやすく解説します。最適な方法を判断するためのポイントもご紹介しますので、不動産売却を成功させたい方はぜひ最後までご覧ください。
不動産売却における「仲介」と「買取」の基本的な違い
不動産を売却する際には、「仲介」と「買取」という二つの方法があります。これらは売却の仕組みや手続き、適した状況などにおいて大きな違いがあります。以下で詳しく解説いたします。
まず、「仲介」とは、不動産会社が売主と買主の間に立ち、物件の売買をサポートする方法です。売主は不動産会社と媒介契約を結び、物件の広告や内覧対応などを通じて買主を探します。売却が成立した際には、売主は不動産会社に対して仲介手数料を支払います。
一方、「買取」とは、不動産会社が直接売主から物件を購入する方法です。売主は不動産会社と直接売買契約を結び、買主を探す手間が省けます。買取の場合、仲介手数料は発生しません。
これらの方法の主な違いを以下の表にまとめました。
項目 | 仲介 | 買取 |
---|---|---|
売却相手 | 一般の買主 | 不動産会社 |
手続きの流れ | 査定 → 媒介契約 → 売却活動 → 売買契約 → 引渡し | 査定 → 売買契約 → 引渡し |
売却期間 | 3~6ヶ月程度 | 数日~2週間程度 |
売却価格 | 市場価格に近い | 市場価格の6~8割程度 |
仲介手数料 | 発生する | 発生しない |
仲介は、市場価格に近い高値での売却が期待できますが、買主を見つけるまでの時間がかかることがあります。特に、物件の立地や状態、市場の状況によっては、売却までに数ヶ月を要することもあります。
一方、買取は迅速な売却が可能で、売却後のスケジュールが立てやすいというメリットがあります。ただし、売却価格は市場価格よりも低くなる傾向があります。これは、不動産会社が購入後にリノベーションや再販を行うため、その費用やリスクを考慮して価格が設定されるためです。
各方法が適している状況についても考えてみましょう。仲介は、時間に余裕があり、できるだけ高く売却したい場合に適しています。例えば、住み替えを計画しており、次の住居が決まるまでに時間がある場合などです。
一方、買取は、早急に現金化したい場合や、物件の状態が悪く仲介での売却が難しい場合に適しています。例えば、相続した物件を早く処分したい場合や、急な転勤で早期に売却したい場合などです。
以上のように、「仲介」と「買取」にはそれぞれ特徴があり、状況や目的に応じて適切な方法を選択することが重要です。
仲介による不動産売却のメリットとデメリット
不動産を売却する際、仲介を利用する方法は一般的です。ここでは、仲介売却の主なメリットとデメリットについて詳しく解説します。
まず、仲介売却の最大のメリットは、市場価格での売却が期待できる点です。不動産会社は、広範な広告活動を通じて多くの購入希望者を募ります。これにより、物件の需要が高まり、結果として高い売却価格が実現しやすくなります。特に、物件の立地や状態が良好であれば、希望価格以上での売却も可能です。
また、売却手続き全般をプロに任せられる点も大きな利点です。不動産会社は、契約書の作成や価格交渉、広告活動など、煩雑な手続きを代行してくれます。これにより、売主は手間を省きつつ、専門的なサポートを受けながら売却を進めることができます。
一方、仲介売却にはデメリットも存在します。まず、売却までの期間が長くなる可能性があります。買主が見つかるまでの期間は、物件の特性や市場の状況によって異なりますが、一般的には3ヶ月から6ヶ月程度かかることが多いです。場合によっては、さらに長期間を要することもあります。
さらに、仲介手数料が発生する点も考慮すべきです。仲介手数料は、売却価格に応じて以下のように設定されています。
売却価格 | 仲介手数料の上限 |
---|---|
200万円以下 | 売却価格の5% |
200万円超400万円以下 | 売却価格の4% + 2万円 |
400万円超 | 売却価格の3% + 6万円 |
例えば、2,000万円で売却した場合、仲介手数料は66万円(税別)となります。これは売主にとって無視できない費用負担となります。
また、内覧対応の負担もデメリットの一つです。購入希望者が物件を見学する際、売主はその都度対応する必要があります。これにより、プライバシーの確保やスケジュール調整が求められ、精神的・時間的な負担が増加します。
仲介売却が適しているケースとしては、以下のような状況が挙げられます。
- できるだけ高い価格で売却したい場合
- 売却までの期間に余裕がある場合
- 物件の状態が良好で、需要が高いと予想される場合
しかし、売却を成功させるためには、信頼できる不動産会社の選定が重要です。複数の不動産会社に査定を依頼し、対応や提案内容を比較検討することをおすすめします。また、売却活動の進捗状況を定期的に確認し、必要に応じて価格や販売戦略の見直しを行うことも大切です。
以上の点を踏まえ、自身の状況や希望に合わせて、最適な売却方法を選択することが重要です。
買取による不動産売却のメリットとデメリット
不動産を売却する際、買取という方法があります。これは、不動産会社が直接物件を購入する形態で、仲介とは異なる特徴を持っています。以下に、買取の主なメリットとデメリットを詳しく解説します。
まず、買取のメリットを見ていきましょう。
1. 迅速な現金化が可能
買取では、不動産会社が直接購入するため、売却手続きが迅速に進みます。一般的に、契約から決済までが数日から1ヶ月程度で完了するケースが多く、急ぎで資金を必要とする場合に適しています。
2. 仲介手数料が不要
仲介売却では、売却価格に応じた仲介手数料が発生しますが、買取の場合は不動産会社が直接買主となるため、この手数料が不要です。例えば、3,000万円の物件を仲介で売却する場合、約100万円の仲介手数料がかかることがありますが、買取ではこの費用を節約できます。
3. 契約不適合責任の免除
通常、売主は物件の瑕疵(欠陥)に対する責任を負いますが、買取では不動産会社が買主となるため、契約不適合責任が免除されるケースが一般的です。これにより、売却後のトラブルリスクを軽減できます。
4. 内覧対応の不要
仲介売却では、購入希望者の内覧対応が必要ですが、買取では不動産会社の査定のみで済むため、内覧対応の手間が省けます。
5. 周囲に知られずに売却可能
買取では、広告活動を行わないため、近隣住民に売却の事実を知られることなく手続きを進められます。
次に、買取のデメリットについて説明します。
1. 売却価格が市場価格より低くなる可能性
不動産会社は、購入した物件を再販する際のリスクやコストを考慮するため、買取価格は市場価格の50~70%程度になることが多いです。これは、リフォーム費用や再販時の利益を確保するためです。
2. 買取を行う不動産会社が限られる
全ての不動産会社が買取を行っているわけではなく、対応エリアや物件の種類によっては、買取を行う会社が限られる場合があります。
3. 物件によっては買取不可の場合も
再建築不可物件や、法令上の制限がある物件など、再販が難しいと判断される場合、買取が難しいことがあります。
以下に、買取のメリットとデメリットを表にまとめました。
メリット | デメリット |
---|---|
迅速な現金化が可能 | 売却価格が市場価格より低くなる可能性 |
仲介手数料が不要 | 買取を行う不動産会社が限られる |
契約不適合責任の免除 | 物件によっては買取不可の場合も |
内覧対応の不要 | |
周囲に知られずに売却可能 |
買取は、迅速な売却や手間の軽減といったメリットがある一方で、売却価格が低くなるなどのデメリットも存在します。自身の状況や優先事項を考慮し、最適な売却方法を選択することが重要です。
不動産売却方法の選択基準と最適な方法の見極め方
不動産を売却する際、「仲介」と「買取」のどちらの方法を選ぶかは、売主の状況や目的によって大きく異なります。以下に、各方法の選択基準と判断ポイントを詳しく解説します。
まず、売却目的や状況に応じた選択基準を見てみましょう。
状況・目的 | 適した売却方法 | 理由 |
---|---|---|
高値で売却したい | 仲介 | 市場価格に近い価格で売却できる可能性が高いため。 |
早急に現金化したい | 買取 | 短期間で売却が完了し、迅速に資金を得られるため。 |
物件の条件が良い | 仲介 | 築浅や立地が良い物件は、買い手が付きやすく、高値での売却が期待できるため。 |
物件の条件が悪い | 買取 | 築年数が古い、設備の故障があるなど、市場で売れにくい物件でも売却が可能なため。 |
周囲に知られずに売却したい | 買取 | 広告活動が不要で、売却の事実が周囲に知られにくいため。 |
次に、各方法のメリット・デメリットを総合的に考慮した判断ポイントを挙げます。
- 売却価格の優先度:高値での売却を最優先する場合は「仲介」が適しています。ただし、売却までの期間が長くなる可能性があります。
- 売却期間の優先度:短期間での売却を希望する場合は「買取」が適していますが、売却価格が市場価格より低くなる傾向があります。
- 物件の状態:築年数が古い、設備の故障があるなどの場合は「買取」が適しています。契約不適合責任が免除されることが多いため、売主の負担が軽減されます。
- プライバシーの保護:売却の事実を周囲に知られたくない場合は「買取」が適しています。広告活動が不要で、売却情報が公開されないためです。
最後に、売却を成功させるための具体的なアドバイスや注意点を提供します。
- 複数の不動産会社に相談する:各社の査定額やサービス内容を比較し、自分に最適な方法を選ぶために、複数の不動産会社に相談することをおすすめします。
- 売却目的を明確にする:「高値で売りたい」「早く売りたい」など、自身の売却目的を明確にし、それに合った方法を選択することが重要です。
- 契約内容を十分に確認する:特に「買取」の場合、契約不適合責任の免除や売却価格など、契約内容を十分に確認し、納得した上で契約を進めることが大切です。
以上のポイントを参考に、自身の状況や目的に最適な売却方法を選択し、スムーズな不動産売却を実現してください。
まとめ
本記事では、不動産売却における「仲介」と「買取」それぞれの仕組みや特徴、メリット・デメリットについて丁寧に解説しました。仲介は高値での売却が期待できる一方、売却までに時間がかかることもあります。買取はすぐに現金化できる点が魅力ですが、売却価格が相場よりも下がる場合があります。どちらの方法にもそれぞれの長所と注意点があるため、ご自身の状況や希望をしっかり整理し、目的に合った方法を選ぶことが大切です。自分に合った売却方法を知ることで、納得のいく不動産取引が実現しやすくなります。