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固定資産税が払えないときの対策は?滞納リスクと解決方法を紹介

不動産購入についてのお役立ち情報

金井 貴之

筆者 金井 貴之

不動産キャリア7年

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固定資産税の支払いが難しく、お困りの方も多いのではないでしょうか。突然の収入減や予期せぬ出費により、税金の支払いが後回しになってしまうことは珍しくありません。しかし、固定資産税を滞納すると延滞金や財産の差し押さえなど、厳しいペナルティが発生することもあるため、注意が必要です。この記事では、もし固定資産税の支払いが困難になった場合の具体的な対策や各種制度の活用方法について、分かりやすく解説します。お悩みの方はぜひ最後までお読みください。

固定資産税を滞納した場合の影響

固定資産税の支払いが困難で滞納してしまうと、さまざまな不利益が生じます。以下に、その主な影響を詳しく説明します。

延滞金の発生とその計算方法

納期限を過ぎると、翌日から延滞金が発生します。延滞金の計算方法は以下の通りです。

延滞期間 延滞金の割合 計算例(税額100,000円の場合)
納期限翌日から1ヶ月以内 年2.4% 100,000円 × 31日 × 0.024 ÷ 365 ≈ 203円
納期限翌日から1ヶ月超 年8.7% 100,000円 × 69日 × 0.087 ÷ 365 ≈ 1,644円

例えば、納期限から100日間滞納した場合、延滞金の合計は約1,847円となります。延滞期間が長くなるほど、延滞金の負担も増大します。

差し押さえや競売のリスク

滞納が続くと、自治体から督促状が送付されます。督促状の発行から10日以内に納付しない場合、財産の差し押さえが行われる可能性があります。差し押さえの対象は、以下の通りです。

  • 給与や預貯金
  • 不動産や動産

差し押さえられた財産は、公売(競売)にかけられ、売却代金が滞納税の支払いに充てられます。特に自宅が競売にかけられると、強制的に退去を求められることになります。

信用情報への影響とその他のデメリット

固定資産税の滞納情報が直接信用情報機関に登録されることはありませんが、差し押さえや競売などの法的手続きが行われると、金融機関からの信用が低下し、ローンの審査などに影響を及ぼす可能性があります。また、自治体によっては、滞納者に対して行政サービスの利用制限を設ける場合もあります。

このように、固定資産税の滞納は多大なリスクを伴います。支払いが困難な場合は、早めに自治体の窓口に相談し、適切な対応を取ることが重要です。

固定資産税の支払いが困難な場合の初期対応

固定資産税の支払いが難しいと感じたら、早めの対応が重要です。以下に、初期対応として取るべき具体的な手順をご紹介します。

まず、お住まいの自治体の税務課や納税課に相談することが大切です。多くの自治体では、納税相談窓口を設けており、納税が困難な方の状況を詳しく聞き取り、適切な対応策を提案しています。例えば、会津若松市では、納税課で随時納税相談を実施しており、納期内納付が困難な場合は早めの連絡を推奨しています。

次に、分割納付の可能性について検討しましょう。一度に全額を支払うことが難しい場合、分割での納付が認められることがあります。西宮市では、納税者からの申出により、完納までの期間が短期間である等の場合に分割納付を行うことができるとしています。

さらに、徴収猶予や換価の猶予制度の活用も検討してください。徴収猶予は、災害や病気、事業の休廃止など特別な事情により納税が困難な場合に、納税の猶予を受けられる制度です。例えば、高松市では、一定の要件に該当し、市税を一時的に納付することができない場合には、申請により原則1年間市税の徴収の猶予を受けられる場合があるとしています。

以下に、これらの制度の概要を表にまとめました。

制度名 概要 申請先
分割納付 一度に全額を支払うことが難しい場合、税額を分割して納付する方法。 自治体の税務課や納税課
徴収猶予 災害や病気、事業の休廃止など特別な事情により納税が困難な場合に、納税の猶予を受けられる制度。 自治体の税務課や納税課
換価の猶予 納税を一時に行うことで事業の継続や生活の維持が困難になる場合に、財産の換価(売却)を猶予する制度。 自治体の税務課や納税課

これらの制度を利用するためには、申請書の提出や必要書類の準備が求められます。具体的な手続きや必要書類については、各自治体の公式ウェブサイトや窓口で確認することをおすすめします。早めの相談と適切な手続きにより、固定資産税の支払い負担を軽減することが可能です。

固定資産税の減免制度とその活用方法

固定資産税の支払いが困難な場合、減免制度を活用することで負担を軽減できる可能性があります。以下に、減免制度の条件、申請手続き、注意点について詳しく解説します。

まず、減免制度が適用される主な条件として、以下の状況が挙げられます。

  • 災害による被害:火災や風水害などの自然災害で資産に損害を受けた場合。
  • 生活困窮:生活保護を受けている方や、生活保護基準を下回る収入で公的扶助を受けている方。
  • 公益上の理由:町内会や自治会が所有する資産など、公共の利益に資する資産。

具体的な減免割合や必要書類は、被害の程度や状況により異なります。例えば、千葉市では以下のような基準が設けられています。

事由 減免割合 必要書類
全壊または復旧不能の家屋 全額 り災証明書
家屋の価値が被災前の10分の6以上減少 10分の8 り災証明書
生活保護受給者が所有する自己居住用資産 全額 生活保護受給証明書

申請手続きについては、被害を受けた日や生活困窮の状況が発生した日から一定期間内に、所定の申請書と必要書類を市税事務所や市税出張所に提出する必要があります。例えば、災害による被害の場合、災害発生後30日以内に申請を行うことが求められる場合があります。

減免制度を利用する際の注意点として、以下が挙げられます。

  • 申請期限の厳守:申請期限を過ぎると減免が受けられなくなる可能性があります。
  • 必要書類の準備:り災証明書や生活保護受給証明書など、必要な書類を事前に確認し、漏れなく提出することが重要です。
  • 自治体ごとの制度確認:減免制度の内容や手続きは自治体によって異なるため、居住地の自治体の公式ウェブサイトや窓口で最新の情報を確認することが推奨されます。

固定資産税の減免制度は、特定の条件下で税負担を軽減する有効な手段です。自身の状況に該当するかを確認し、適切に手続きを行うことで、経済的な負担を和らげることができます。

固定資産税の支払いが困難な場合の最終手段

固定資産税の支払いが難しくなった際、最終的な解決策として「任意売却」や「リースバック」といった方法があります。これらの手段を理解し、適切に活用することで、経済的な負担を軽減し、生活の安定を図ることが可能です。

以下に、任意売却とリースバックの概要、メリット・デメリット、そして注意点や手続きについて詳しく説明します。

任意売却の概要とメリット・デメリット

任意売却とは、住宅ローンの返済が困難になった際、金融機関の同意を得て市場で不動産を売却する方法です。競売と比較して、より高い価格で売却できる可能性があり、周囲に事情を知られにくいという利点があります。

しかし、任意売却には以下のデメリットも存在します:

  • 金融機関の同意が必要であり、交渉が難航する場合がある。
  • 売却活動に時間がかかり、必ずしも成功するとは限らない。
  • 信用情報に影響を及ぼし、一定期間新たなローンやクレジットカードの利用が制限される。

リースバック制度を活用して住み続ける方法

リースバックとは、自宅を売却した後も賃貸契約を結び、引き続き同じ住居に住み続けることができる制度です。これにより、生活環境を変えずに資金を確保することが可能となります。

リースバックの主なメリットは以下の通りです:

  • 売却後も住み慣れた自宅に住み続けられる。
  • 売却によって得た資金を他の用途に活用できる。

一方、デメリットとしては:

  • 売却価格が市場価格より低くなる傾向がある。
  • 賃貸契約の条件によっては、将来的に退去を求められる可能性がある。

任意売却やリースバックを検討する際の注意点や手続き

これらの方法を検討する際には、以下の点に注意が必要です:

  • 金融機関や自治体との交渉が必要であり、専門的な知識が求められる。
  • 売却価格や賃貸条件について、慎重に検討し、将来的な生活設計を考慮する。
  • 信頼できる専門家や不動産会社に相談し、適切なアドバイスを受けることが重要。

以下に、任意売却とリースバックの主な特徴を比較した表を示します:

項目 任意売却 リースバック
住み続ける可否 不可 可能
売却価格 市場価格に近い 市場価格より低い傾向
手続きの複雑さ 金融機関との交渉が必要 賃貸契約の条件交渉が必要

固定資産税の支払いが困難な状況に直面した際、これらの最終手段を検討することは有効です。しかし、それぞれの方法にはメリットとデメリットが存在するため、慎重な判断と専門家の助言が不可欠です。早めに行動し、適切な対策を講じることで、経済的な負担を軽減し、生活の安定を図ることができます。

まとめ

固定資産税の支払いが難しくなった場合は、早めの行動が大切です。延滞を放置すると延滞金が発生し、最悪の場合には不動産の差し押さえや信用情報の悪化につながります。しかし、自治体相談や分割納付、各種の減免制度など、救済策も用意されています。特別な事情がある場合は減免申請も検討でき、最終的には任意売却やリースバックを活用する道もあります。まずは一人で悩まず、状況に応じた適切な対策を講じることが大切です。

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